福岡からクアラルンプールへ

成田空港

予定外のバンコク行き

最近の海外出張先としてはもっぱら東南アジアで、シンガポール、クアラルンプール、バンコク、マニラのどれかということが多い。業務内容的に突然明日から行ってくれと言われるようなことはまずなく、数ヶ月前から大まかな日程が定まり、こちらが航空券を手配して確定というパターンが多い。

そのせいで、安いバーゲン運賃を確保できるケースがほとんどで、残念ながらマイル積算率100%のエコノミー運賃などには全く縁がない。

もう10年以上前になるが、突然、休みの日に携帯に電話がかかってきて、明後日からニューヨークに行ってきてと言われたことがある。その電話ではこれからチケットを手配するような口ぶりだったので、買ったのが出発2日前、確か、ノースウェストだったと思うが、あれは正規普通運賃だったのだろうか。

それと比べればはるかにまともであるが、今回のバンコク行きは1ヶ月と少し前にやっと日程が決まった。ここ数年では決まるのが遅かった方なのだが、それでもまだ一月は残っているので、色々と日程を調整して航空券をうまく手配する余裕はあった。

それで何をしたかというと、福岡出張と組み合わせたのである。

どのみち、5月に福岡に行かねばならない。そこで、バンコク行きの国際線航空券を福岡発着にして、それを挟み込む形で、国内線の羽田 - 福岡往復を別途手配した。バンコクの行きと帰りの2回福岡に行くことになる、つまり、1回余計に行くことになるのだが、その分の追加代金は国際線チケットに付加されるたったの1万円で(国内線往復はいずれにしても買わないといけないチケット)、なおかつ、国際線航空券の国内区間と言うことで積算率100%となるのだ。
 

バンコク行きの運賃

ところが、肝心のバンコク行きに購入のタイミングでは心惹かれる運賃がなかった。エコノミークラスは予約クラスQの30%しかマイルの積算されない運賃しかなく、上位クラスの特別運賃もあることはあったのだが、かなり高めの価格設定で、プレエコはコスパが悪いし、ビジネスクラスでは端的に高すぎる。

しかし、クアラルンプール行きなら成田からおおよそ11万円というビジネスクラスのセール価格があった。予約クラスはXでマイル積算率は125%である。

クアラルンプールからバンコクまではマレーシア航空をビジネスクラスで手配、むりやりクアラルンプールでの仕事の予定も組んでしまい、福岡・クアラルンプール・バンコクという修行の旅、ではなく、連続出張が成立した。
 

福岡から成田へ

全旅程の最初、国内線航空券の福岡行きは羽田をお昼少し前に出る便で、1日の中では早朝の始発便の次に安い運賃設定であった。空席連動型の運賃が安いということは空いていると言うことで、ファーストクラスに当日アップグレードすることができた。

着いた日の午後は、博多駅にある東急ハンズで長期出張に必要…かどうかは不明な旅行便利グッズを冷やかしたり、カフェで仕事をしたりしながら、少しゆっくりと過ごした。JR博多駅前にできたばかりのビジネスホテルに1泊し、次の日は終日打合せをしてから、最終便で羽田に戻ってきた。

この最終便も運賃が安く、ファーストへの当日アップグレードに成功した。ここからはクアラルンプール行きの国際線航空券となり、その国内区間なので積算率100%のファーストクラス、しかも、FOP2倍キャンペーンの5月ということで、一挙に3,804FOPも積算される。

この日は一旦、家まで帰ってきた。福岡からはちょうど2時間の乗り継ぎでクアラルンプール行きに接続する成田行きがあるので、これを使えば、羽田から自宅、自宅から成田の移動の手間が省けるのだが、朝7時発と早すぎることと、使用機材が737でファーストクラスの設定がないのはおろか、クラスJさえ取れるかどうか分からなかったので(当日アップグレードが前提)、前日の羽田行きで戻ってきたのである。

自宅と空港の間の交通費は余計にかかるが、博多での宿泊費が1泊分少なくて済むから、金額的にはたいして変わらない。

成田空港ファーストクラス・ラウンジ


翌朝、スカイライナーで成田空港に向かう。今回の空港での目玉は新装した本館ファーストクラス・ラウンジである。ラウンジの入り口はこれまでと同じでパスポートコントロールを抜けた目の前であるが、3階がファーストクラス・ラウンジとサクララウンジのダイニング、2階がサクララウンジとなっていたのに対して、これからは4階がファーストクラス・ラウンジとなる。

これまでの成田のファーストラウンジでは、食事に関してだけは羽田から大きく見劣りし、寿司カウンターがあるものの、メインはビュッフェ形式であった。それが今回のリニューアルでオーダー形式の料理がメインとなり、成田を利用することの方が多い筆者としてはありがたい限りである。
 

Sky Suite 3仕様のB787-9で

クアラルンプール行きは例によって例のごとくSky Suite 3仕様の787-9で、まずは離陸に備えて、スマホ以外の手荷物をすべて上の棚に収納しないといけない。

搭乗開始はほぼ予定通り、というか、本館ラウンジからのんびりとサテライトの搭乗口にたどり着いた頃には優先搭乗が終わりかけていて、慌てて乗り込んだのだが、その後、なぜかいつまでもドアが閉まらず30分遅れで出発した。

そのせいで機内食の始まったのも遅くて1時半を回っていた。まあ、ラウンジで少し食べ過ぎた身にはちょうどよいタイミングとなった。

JALビジネスクラス機内食

 

JALビジネスクラス機内食


機内食の正確なメニューは忘れてしまったが、メインは魚介類のアメリケーヌソースであった。

料理と酒を合わせて飲み分けるほどの鋭い味覚もないし、そもそもそんなに飲む方でもないが、アメリケーヌソースには甘口のワインをという、学生時代に教えてもらった知識をなぜかいまだにはっきりと覚えている。そこでワインリストを見てみたが、残念ながらすべて辛口だったので、甘さのある日本酒にしてみたところ、これがなかなかの組み合わせで少し飲み過ぎてしまった。

JALビジネスクラスSky Suite 3


最後は、クアラルンプール到着後に撮ったので少し散らかっているが、Sky Suite 3の座席である。後ろから座席前方モニターやその下のオットマンを撮影している。進行方向に対して角度がかなりついて座席が配置されており、オットマンの中が先細りになっといるのが見て取れるであろうか。

少し窮屈な感じであるし、オットマンは離着陸時に手荷物を置いておくことができない。せめて窓際の三角のテーブルの下に蓋の閉まる収納があれば便利なのだが、蓋どころか収納そのものがないのだ。これがSky Suite 3のいちばんの欠点ではないだろうか。Sky Suiteの窓側席ほどではないものの、周囲から仕切られたプライベート感についてはそれなりにあるし、オットマンの窮屈さにしても、余程背の高い人でなければ、足が当たって困るということもないだろうから、収納の少なさだけが本当に残念である。

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