バンコクからはB777で

タイ航空ビジネスクラスのウェルカムドリンク

スワンナプーム国際空港

バンコク滞在中の話はすっ飛ばして、先にクアラルンプール - バンコクの復路の話を書いておくことにする。こちらもタイ航空運行のコードシェア便にしてある。

コードシェア便の場合、利用するチェックインカウンターやラウンジ、提供されるサービスは運行会社によるものになる。つまり、たとえワンワールドのエメラルド会員がマレーシア航空便名で予約をしていたとしても、運行しているのがタイ航空の場合、エリートメンバーのサービスは受けられないことになる。

ただし、今回はビジネスクラス利用なので、噂に聞くスワンナプーム国際空港のタイ航空のラウンジなどを体験することができた。やはり、JALでラウンジなどの施設がいちばんよいのが成田であるように、各航空会社が本拠地としているハブ空港でのサービスがいちばんである。

スワンナプーム国際空港タイ航空ファーストクラスカウンター


スワンナプーム国際空港の出発口に向かって左端、カウンター列名だとAやBの辺りが、タイ航空の上級クラス専用のチェックインカウンターとなっており、ご覧の通り、高い仕切りで囲まれていて、その中でどのようなサービスが繰り広げられているのかは窺い知れないようになっている。左側Royal Firstというのが、その名の通りファーストクラス用で、こちらは筆者などお呼びではない。右端に辛うじて写っているRoyal Silk (Sの字の辺りで切れているが)がビジネスクラス用である。

成田空港第2ターミナルのJALとは逆の発想で、JALはずらりと並ぶカウンター列のど真ん中、余り歩かなくて済むような便利な場所に上級クラス用にカウンターを配置している。もちろん、対象外の乗客が入らないように囲ってはいるものの、外から容易にその様子を見ることができる。

タイ航空の場合、その反対に、場所はいちばん端と少々不便であるが、場所を知っているお得意様は最初からいちばん手前で車から降りれば済むということなのであろう、その代わりにしっかりと周囲からは切り離された専用の空間を用意しているのだ。

スワンナプーム国際空港タイ航空ビジネスクラスカウンター


仕切りの中に入ると、ご覧のように広々とした空間にソファが並べられ、カウンターの数も多いし、カウンターの前にはスツールが置かれていて、座りながらチェックインの手続きができるようになっている。

画像では左側が休憩用のソファ、右側がチェックインカウンター。カウンターは奥のいくつかしか写ってないが、もちろん、この手前にもずらりと並んである。そして、カウンターの前に黒の低い椅子がおかれているのが分かるだろうか。そして、中央奥はFast Track、つまり、手荷物検査と出国審査の優先レーンとなっており、仕切りで囲まれたチェックインカウターに入ると、そのまま外に出ることなく、言い換えるなら一般の人と交わることなく、出国できてしまうのである。

この辺りの徹底した切り離しぶりはお国柄も反映しているのであろう。タイは日本以上に隔たりの大きい格差社会なのである。

スワンナプーム国際空港タイ航空ビジネスクラスラウンジ


チェックインカウンター奥のFast Trackで手荷物検査と出国審査を受けると、目の前に階下に続くエスカレーターがあり、降りたところがすでにラウンジの入り口となっている。Royal Silkラウンジは細長く広い。キャパシティは300近くあり、提供される食べ物もタイ風ではあるが美味しい。

しかし、なんと言っても特筆すべきは、ラウンジの向かい側にあるRoyal Orchid Spaで30分のタイマッサージを受けられることだろう。もちろん、市中の高級店の雰囲気である。ファーストクラス利用者は1時間になるらしい。

スワンナプーム国際空港のバス


それで結局、最後はバスに乗って沖止めのB777-300ERに。時間帯にもよるのであろうが、350人も乗れる機材でさえ沖止めとなってしまう。スワンナプームは本当にキャパオーバーで運用されているのがよく分かる。ちなみに、筆者はタイ航空を以前よく使っていたが、ほぼ100%沖止めである。少なくとも、到着便でボーディングブリッジに着けたことは一度もなく、到着と同時に必ずもわっとした熱帯の空気の洗礼を受ける羽目に陥っていた。

タイ航空B777-300ERビジネスクラス席


ビジネスクラスの座席は恐らくA350と同じもので、1-2-1配列のスタッガード。そして、やはり2時間ちょっとのフライトでウェルカムドリンクからホットミールまで提供される。

タイ航空ビジネスクラスの食事


復路でもやはりタイ料理、レッドカレーを頼んだ。さすがに、バンコクの街中で食べるほどは辛くなく、そういった意味ではグローバル化されていると言えなくもない。

客室乗務員もこの短時間で食事を提供することになれており、すべてがテキパキと進んでゆき、テーブルが片づけられた後、せっかくなのでシートをフルフラットにして寝転んでみたものの、30分もしないうちにシートベルトサインが点灯した。

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